Amazon Pinpoint のジャーニーでクワイエットタイムを指定した時の挙動を整理してみた
いわさです。
Amazon Pinpoint ではジャーニーと呼ばれるマーケティングオートメーション機能があり、以前紹介させて頂いたことがあります。
その際にはジャーニーにはクワイエットタイムという機能を使うことで、送信しない時間帯を設定することが出来る点にも触れています。
先日、こちらのクワイエットタイム周りのユーザーインターフェースが変わっていたので検証していたところ、挙動が思ってたようにいかないケースがありました。
そこで、いくつかのパターンで検証を行ってみましたので結果を紹介したいと思います。
なお、今回は CSV をアップロードして静的セグメントを作成し、ジャーニーのエントリで指定する方法で検証を行っています。
2022年8月9日時点の動作検証結果になります。
また、クワイエットタイム周りはドキュメントの情報量がまだ多くなく、仕様なのか不具合なのか正直わかってない部分があります。
うまくいくパターン
まずは期待どおり動作したパターンから紹介します。
各エンドポイントにタイムゾーン情報(Demographic.Timezone)を含んでいて、ジャーニーのスケジュール設定画面にて「受信者のローカルタイムゾーンを使用」を選択しなかった場合はうまくいきます。
ここでは以下のような CSV ファイルから静的セグメントを用意しています。
Address,ChannelType,User.UserAttributes.hoge,Demographic.Timezone [email protected],EMAIL,いわさ1,Asia/Tokyo [email protected],EMAIL,いわさ2,Asia/Seoul [email protected],EMAIL,いわさ3,America/Los_Angeles [email protected],EMAIL,いわさ4,America/Phoenix [email protected],EMAIL,いわさ5,Europe/London
クワイエットタイムなし
まずはクワイエットタイムを設定しないで送信してみましょう。
これは5つのエンドポイント全員にすぐに送信されます。
すぐにとは言いましたが、厳密にはジャーニーはパブリッシュしてから開始まで5分ほどかかりますので5分後です。
クワイエットタイムあり
クワイえっとタイムは最短 30 分からの設定となっています。
ここでは JST (日本標準時)で、パブリッシュ時点を含む前後 30 分のクワイエットタイムを設定した場合を検証しています。
そして、「受信者のローカルタイムゾーンを使用」は選択しません。
この場合は、Asia/Tokyo
とAsia/Seoul
のエンドポイント以外はすぐに届きました。
「受信者のローカルタイムゾーンを使用」は選択していませんが、エンドポイントごとのタイムゾーンを考慮した上で各タイムゾーンが16:00 ~ 16:30
の範囲外であれば送信されるような挙動をしています。
さらに、送信されなかった2件のエンドポイントはクワイエットタイム終了時間の10分後にメールが送信されていました。
「クワイエットタイム終了後に通信を再開する」のオプションに従って終了後に送信されていると思いますが、終了後即送信されるのかと思っていましたがどうやら少しタイムラグがあるようです。
このラグの具体的な仕様は記述が見当たりませんでしたが、何度試しても私の検証時には 10 分後だったという点だけ紹介しておきます。
エンドポイントにタイムゾーンがない場合
エンドポイントにタイムゾーンがない場合も試してみました。
Address,ChannelType,User.UserAttributes.hoge [email protected],EMAIL,いわさ1 [email protected],EMAIL,いわさ2
なお、クワイエットタイム設定画面には以下のような記述があります。
ローカルタイムゾーンが設定されていないエンドポイントは、ジャーニーにエントリしません。
試してみましょう。
なんと、クワイエットタイムを設定しても無視されました。
送信されないのではなく、クワイエットタイムを無視して即送信されました。これは意外です。
受信者のローカルタイムゾーンを使用
ここまでは、「受信者のローカルタイムゾーンを使用」を選択しなかった場合なのです。
次は選択したパターンです。
ここではタイムゾーンで UTC を指定しつつ「ローカルタイムゾーンを使用」を選択しています。
これは、なんとどのエンドポイントにも届きませんでした。
ジャーニーの結果としてエントリが 0 件です。しかもジャーニー自体はアクティブのままになっています。
次に、JST 指定でローカルタイムゾーンを使用を選択してみましょう。
これは、なんとエントリに 5 件中 2 件のエンドポイントが設定されています。
さらに、クワイエットタイムを超過すると、Asia/Tokyo
とAsia/Seoul
のエンドポイントにメールが到着しました。
この2件のエンドポイントの招待です。
そしてジャーニー中のエンドポイントが無い状態で、ジャーニーはアクティブのまま続きます。
さいごに
本日は Amazon Pinpoint のジャーニーでクワイエットタイムを指定した時の挙動を整理してみました。
ドキュメントから読み取れない仕様が結構ありそうで、端的に言うと思ってたのと違う送信のされ方をしたので注意が必要そうです。
利用する際にはより実環境に近い条件で送信リハーサルをしっかりしたほうが良いなと思いました。